2007年11月09日

ある恋人たちの一週間

ある恋人たちの一週間

ある村にファリスという名の少年と
シーラという少女がいた。

二人は愛し合っていたけど
シーラの親がそれを許さなかった。

ネコの発情期の声に触発されたファリスは
その夜シーラの手をとり
近くの寂れた講堂に連れ込んだ。


だけどシーラの父親に見つかってしまった。

父親は猟銃でファリスを脅し、
ファリスは父親に挑みかかった。
猟銃は暴発しファリスの体を貫いた。


それからしばらくして。
鳥の鳴き声で目覚めたファリスは
何故かその鳥を捕まえて食べてしまいたいと思った。

記憶が曖昧で自分の名前も思い出せなかった。

呆然としているとある少女が話しかけてきた。
少女の名はシーラと言った。


ファリスはシーラから色々と教わった。

綺麗に囁く鳥は捕まえてはいけないとか、
今日が火曜日だとか。

だけど肝心の、彼の名前だけは教えなかった。
シーラは「いずれ思い出すよ」と言った。

ファリスは見るもの全てが新鮮だと思った。
目に映ったものは逐一シーラに報告した。


ふと、シーラの前髪に葉っぱがくっついているのに気がつき、
顔を近づけてそれを払いのけようとし、驚いた。

ファリスは「シーラの目の中に何かがいるよ!」と騒ぎ立てた。

それはシーラの眼球に映ったファリスの姿だった。

あなたの姿をしっかりと見て、と言って、
シーラはもう一度自分の目を見るようにファリスを促した。

まじまじと見つめ合った瞬間に、
ファリスはもうシーラの目を直視できないくらい、
彼女に恋をしていた。


彼女を見つめると心臓が高鳴る、

これは病気だと思ったファリスは
代わりに空や森を見つめた。

そしてシーラに悩みを打ち明けた。


それは確かに病気ねと
シーラは呟いた。

だけどあなたはその病に随分前から侵されているのよ、といい、
ファリスの大きな耳に顔を近づけた。

それは恋の病だと、
シーラは囁いた。

それを知った瞬間に
ファリスはシーラに口付けをしていた。


勝手に動く体は病気のせいだと、
ファリスは自分に言い聞かせた。

そしてシーラの服に手をかけた。
だけど、「これ以上はだめ」と、
シーラに拒まれてしまった。

何故と問えば「不毛だから」という答えが返ってきた。

「繋がり合う喜びは生あるものからしか生まれないもの」
とシーラは言った。

ファリスはもう一度シーラの目を覗き込んだ。


そこに映っていたのは紛れもない
ネコの化け物の姿だった。


「もう一度あなたが私に恋をしてくれるか、確かめたかったの」と
シーラは言った。
そして泣きながら
「もう私たちは一緒の世界にはいられない」と告げた。


全てを思い出したファリスは
「離れ離れになるくらいなら
この世から永遠に消えてなくなったほうがましだ」
といい、
崖から飛び降りた。








鳥の鳴き声で目覚めたファリスは
何故かその鳥を捕まえて食べてしまいたいと思った。

記憶が曖昧で自分の名前も思い出せなかった。

呆然としているとある少女が話しかけてきた。
少女の名はシーラと言った。




明るい声とは裏腹に、
シーラの目にはうっすらと涙が浮かんでいた。




永遠に繰り返される恋人たちの一週間。





※ホラーズとキュアーのアルバム聴いてたら浮かんだ話

ファリスは間違いなくホラーズのボーカルさんのイメージ(笑)

ちなみにこちら



ラベル:The Cure The Horrors
posted by 車輪の真上管理人 at 12:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。